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ビオトープ観察日記vol.34 ~植物紹介「トベラ②」~

みなとアクルスのビオトープ観察日記第34弾となる今回は、「トベラ」の実をご紹介します!

トベラはトベラ科トベラ属の植物で、春に白い花を咲かせる植物です。
今年の5月に開花の様子をお伝えしたトベラですが、その時の雌花が実になり、熟した実が11月中旬ごろから割れ始めました!

6月頃より実が出来はじめ、最初は緑色で表面に短い毛がありますが(写真1枚目)、大きくなると毛はなくなります。
実は1.5~2㎝ほどまで成長し(写真2枚目)、夏が終わる頃になると黄色がかった色に変化します(写真3枚目)。
12月頃には実が熟し、3つに裂けて開き、中から糸を引くネバネバした真っ赤な種子が出てきます(写真4枚目)。
種子が出てくる頃になると、裂けた実の外側は茶褐色に変化します。

鳥に種子を運んでもらい繁殖する植物の多くは、色覚の発達した鳥に見つかりやすい赤などの目立つ色をしています。
多くの植物は鳥に実を食べてもらい栄養を与える代わりに、種子を運んでもらう仕組みですが、トベラの実にはほぼ栄養がなく、鳥は騙されてただ種を運ぶ役割を担うそうです。そのため、トベラは果肉のない実にもかかわらず、鳥に食べてもらうために果肉があるフリをしている「擬態果実」なんですよ。
それでも食べてもらえないこともあるため、トベラの種子には粘着性のある液体に包まれており、鳥のくちばしや足に引っ付いて運んでもらえるようになっているそうです。

秋が過ぎ、一段と寒さが強くなったビオトープでは、冬鳥である「ジョウビタキ」(写真5枚目)が姿を見せるようになりました。ジョウビタキもトベラに騙され、遠くまで種を運んでいるのかもしれませんね。

みなとアクルスにお越しの際は、ぜひ真っ赤に色づくトベラの実をお楽しみください。

※ビオトープの中にはみなとアクルスエコツアーでお入りいただけます。現在新型コロナウイルスの影響でツアーを中止していますが、ビオトープの様子は外側に設置されているデッキなどからご覧いただけます。