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ビオトープ観察日記vol.49 ~植物紹介「ヒメガマ」~

みなとアクルスのビオトープでは、様々な草花が見られますがその中には“これが花?”と、少々ビックリさせられる植物もあります。

今回ご紹介する“ヒメガマ”はそのひとつです。

ヒメガマは、比較的浅い湖沼やため池、水路などに生育する植物で、根は水底の土壌の中にあります。葉や茎は水面から出ており、抽水植物と呼ばれています。みなとアクルスのビオトープの水辺に、現在、花を咲かせています。

写真の茶色い部分が、一見して花とは思えないヒメガマの花になります。先端が雄花、そこから少し間隔を空けて茎に向かって膨らんでいる部分が雌花だそうです。とてもユニークな花だと思いませんか?

また、ヒメガマの花粉は「蒲黄(ホオウ)」とも呼ばれ、成熟した花粉を乾燥させ粉末状にしたものは、古来より生薬として、使用されており、切り傷や軽度の火傷に効くとされています。そして、なんとこの効能は約1,300年前に編纂された「古事記」の中にも登場しているそうです。 それは、童話としても広く親しまれている【因幡の白兎】のお話です。「昔々、ウサギが対岸へ渡ろうとサメを騙したことで、皮を剥がされてしまいました。さらに、意地悪な八十神がウサギに嘘の治療方法を教え、傷を悪化させてしまいました。そこへ、心優しい大国主命が現れ、傷を癒すための正しい方法として、このヒメガマの花粉を身体へ塗るように教えました。・・・」ウサギを癒した薬が、まさに目の前に咲いているヒメガマなのか、と思うと、一層感慨深い気持ちになりませんか?

ヒメガマはビオトープのデッキから様子をご覧いただけますので、お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください。