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まちの植物観察日記~「スダジイ」~

ようやく秋の気配を感じる、過ごしやすい季節になりましたね。
厳しい暑さだった夏を乗り越え、アクルスロード沿いのスダジイの木には、今年もたくさんの可愛らしいどんぐりが実っています。
このスダジイのどんぐりはアクが少なく、昔は生で食べることもあったそうです。もちろん、森の動物たちにとっても大人気のごちそう。みんなの貴重な食料になるなんて、なんだか健気で愛おしくなりますね。

でも、ただ食べられるだけではありません。ここからが、どんぐりの賢い作戦の始まりです。どんぐりは乾燥にとても弱く、木から落ちて土や落ち葉の中に埋もれないと、残念ながら芽を出すことができません。地面に沢山どんぐりが落ちている写真は昨年撮ったものですが、こんなふうに落ちるだけでは芽や根が出せないのですね。

そこで活躍するのが、リスやカケスといった動物たちです。彼らは冬に備え、集めたどんぐりを地面に埋めて隠しておく習性があります。そして、彼らが埋めたまま忘れてしまったどんぐりが、やがて芽を出し、次の世代へと命をつないでいくのです。動物たちに運んでもらうことで、子孫を残していくのですね。

今のところ、みなとアクルスでリスの姿を見ることはありませんが、鳥たちがここのどんぐりを遠くまで運び、どこかで新しい芽を出すことがあるかもしれません。
植物と動物の共存のサイクルに感心しつつ、今年も美味しく育ちますように!と願いながらどんぐりの成長を見守っていきたいと思います。